Overview
オンラインメディア「CIO」の由来であるCIOやCxOなどの経営層および、ビジネスとIT領域に関心の高いITリーダーズの読者層を対象にCIO.com Japanでは、動画インタビューシリーズの「Leadership Live Japan」を立ち上げました。
当サイトではCIOやCxO、ITリーダーとして活躍されている方々の「現在に至るまでのキャリア、仕事観、やりがい」などにクローズアップし、読者の皆様に「ITリーダーの役割」をお伝えたします。
今回、「Leadership Live Japan」に出演するゲスト、株式会社 SUBARU(スバル)
執行役員CIO(最高情報責任者)、IT戦略本部長の辻裕里氏をお迎えし、CIOのキャリアや仕事観、やりがい、魅力などについて語ってもらいました。
辻氏のCIOとしての仕事観、やりがいとキャリアストーリーは以下の通りです。
SUBARUのCIOである辻裕里氏は、IBMのSEとしてキャリアを開始し、その後、週末起業によって女性の就労支援にも従事するという異色の経歴を持つ。地元群馬へのUターン後、サプライヤー企業で再びITキャリアを歩み、最終的にCIOに就任。そして、SUBARUに転職した直後、コロナ禍が始まり、情報システム部長として全社的なペーパーレス化とリモート環境の整備に奔走しました。
現場主導のDXを推進し、部門横断的な知見を広げながら、2024年4月に正式にSUBARUのCIOに就任。過去には“クラウド”が一般化する以前からクラウド型のグローバルシステムを構築し、TPM革新賞も受賞。こうした先進的かつ現場密着型のアプローチが、SUBARUでの変革を支えています。
辻氏のアプローチは、単に技術を導入するだけではなく、「人の働き方をどう変えるか」に焦点を当てた、まさに“人間中心のデジタル”。現場との対話を大切にし、泥臭く歩みを進めながらも、確実に組織を次のステージへ導いている姿勢が印象的です。
辻氏のキャリアは、決して順風満帆ではありませんでした。しかし週末起業、家庭との両立、Uターン、転職、そしてコロナ下での組織改革など──そのすべての経験が、今の「人を起点にしたDX」へとつながっています。
「紙とハンコをやめたい」の一言から始まった社内改革も、現場との信頼関係と愚直な実行力で推進。自らもペーパーレスの旗振り役として、ひとつひとつの業務フローを洗い出し、社員に寄り添う形で仕組みを整えてきました。
また、女性のキャリアを広げ、後輩に活躍の場を与えるため、率先して業務横断的な仕事にも取組みました。コロナ禍にDXを推し進めることで、結果を出し、社長賞も獲得することで、社内の信頼を得ることができました。
そしてSUBARUでCIOとなり、その仕事は、時に孤独で、理解されにくいと言います。しかし、それを逆手に取り、「失敗してもリカバリーできる仕組みづくり」に挑戦する姿勢は、まさにリーダーの鑑と言えます。
CIOの皆さんに伝えたいのは、「肩の力を抜いて、現場の声を信じて進もう」ということ。失敗を恐れず、現場とともに成長する。それが、真のデジタル変革の第一歩になると辻氏は語ります。